東京都港区赤坂・溜池山王の司法書士関川嘉一事務所です。会社の登記(設立登記・変更登記)の専門サイト

司法書士 行政書士 関川嘉一事務所
HOME お問い合わせ プライバシーポリシー サイトマップ
ケーススタディ

5年後にIPOを考えているHさん


【関川】
こんにちは

【H様】
どうも久し振り。

【関川】
先日いただいたメールを拝見いたしました。かなり大きなプロジェクトですね。

【H様】
そこまで大きくないよ。いろいろな出資の話を断って、シンプル化したのが今回のプロジェクトだよ。

【関川】
そうなんですね。話はさておき、チェックシートへのご記入はお済みですか?

【H様】
こんな簡単なシートで大丈夫なの?一応書いてきたから、ちょっとデータを送るよ。(5分経過)

【関川】
どうもありがとうございます。ざっと拝見したところ、資本金を2000万円にするところに引っかかりを感じます。

【H様】
消費税のことか?

【関川】
ええ。確か、そのほかにも問題点があったと思いますが、税理士に確認はしましたか?

【H様】
ああ。確認済だよ。だけど、今回のプロジェクトへの本気度をあらわす意味で、他の会社との違いをアピールしいたいんだよね。あとは、いろんな会社が出資した言って言ってくるからさ、少なく見積もっても2000万円の出資金は集まっちゃうんだよ。

【関川】
そうですか。資本金の額に関するメリデメは、十分ご承知の上かと思いますので、それを比較検討した上で、最終決定してくださいね。ただ、出資金2000万円の払い込みを受けたとしても、2000万円すべて資本金として計上する必要はないので、その点も考慮してください。ただ、確かに1000万円未満の資本金の会社と、2000万円の資本金の会社とでは、登記簿上第三者に与えるイメージも違いますからね。

【H様】
そうなんだよ。

【関川】
ただ、資本金が多いから信用を得られる会社と、資本金には関係なく、顧客を開拓できる業種もあると思いますのでね。今回の、H様の事業は、海外不動産の売買になりますので…

【H様】
資本金は多い方がいいよな?

【関川】
僕もそう思います。まあ、その点に関しましては、税理士の先生や、コンサルタントの方とよく話し合ってください。

【H様】
了解。ちなみに、この資本構成に関してはどう思う?

【関川】
そうですね。こちらの方が、問題あるかもしれませんね。…H様が500万円 I社が500万円 J社が400万円 k社が200万円 L社が200万円ですか。ちなみに、H様が実質上コントロールしている、もしくは、コントロールできる会社は、I社だけですか?

【H様】
そうなんだよ。だから、本当は私とI社で最低でも50パーセント強の出資はしたかったんだけど… そうすると、他の奴らが納得しないだろ…

【関川】
そうですね。ただ、今回他の会社さんたちは、どのような目的で出資をするのかということから考える必要があると思います。

【H様】
そうか。ちなみに、J社は昔からの友達が経営している会社でね。一緒に事業をやってみたかったんだ。Jの業種は「IT関係」だから、直接的には関連性はないとは思われそうだけど、今回の私の事業には、j社のノウハウとかが必要なんだよね。

【関川】
それ以外の会社さんはどうなんですか?

【H様】
K社もL社も、実はI社にも出資しているところでね。今回私が違うビジネスをしたいと言っているのをどっかからか嗅ぎつけてきて、新しい会社にも出資させろって言ってきたんだよ。目的は、上場後の売却益だよ。

【関川】
K社とL社は、会社運営にはあまり口出ししなくても、お金だけ貰えれば満足しそうですね。

【H様】
そうだね。だけど、完全無議決権株式にしちゃうと、ちょっとまずいかな。

【関川】
鋭いですね… ちなみに、完全無議決権株式に加えて、配当金にプレミアムを持ってあげてはいかがでしょうか。あと、上場した際には、普通の株式と交換することができる権利も付けてあげましょう。

【H様】
そうだねえ。それで満足してくれればいいんだけど。

【関川】
ここで、K社とL社の株式に議決権をなくしてしまうと、J社様の株式には何の処置を施さなくても、H様が3分の2以上の議決権を持つことになります。

【H様】
そうか。それじゃあ、そんな感じで進めていこうかな。あとで、ドラフトしておいてくれないか。

【関川】
任せてください。

【H様】
ちなみに、実は、今回J社に出資してもらうにあたって、それなりの恩返しの気持ちを見せたいんだけど。何かいい方法はないかな?

【関川】
そうですね。万が一の時に、株式を買い取ってあげられる条件をつけてあげましょうか。

【H様】
万が一…事業がうまくいかなかったときか?相変わらず、いってくるね〜

【関川】
すみません。ただし、そんな時に責任をもって買い取るという条項を付けておけば、相手も納得していただけそうですよね。

【H様】
そうだね。ただ、事業がうまくいかなくなった時、誰が買い取るんだ?

【関川】
今回は、社長かI社か、新会社という選択肢があります。

【H様】
私にしておこうか…

【関川】
そうですか。ちなみに、

(10分経過)

それでは、株主間契約書で取り決めを行いましょう。

【H様】
よろしく頼むよ。次に話を進めようか。

【関川】
で、実はまだ話は終わってませんで…

【H様】
なんだ?

【関川】
今回の出資者のj社k社L社ともに、法人であるというのが…実は気になるんです。

【H様】
それは、幾らでもあることじゃないか〜

【関川】
そうですね。ちなみに、K社、L社に関しましては、そこまで問題はないのですが。なぜなら、今のところ議決権のない株式を割り当てる予定ですからね。ただ、問題があるのは、実はJ社なんですよ。

【H様】
J社は、信頼しているから大丈夫だよ。

【関川】
それは、今のJ社ですよね?

【H様】


【関川】
J社の株主構成が、今後劇的に変化した場合、それでも信頼関係が続く確証はないと思います。

【H様】
確かに…

【関川】
今回の新会社には、もちろん当初は「株式の譲渡制限」規定をつけるつもりですが…実は、法人に株式(譲渡制限株式)を割当てた際には、実質上「株式譲渡制限」のコントロールが効かなくなることがあるんです。もうお気づきかとは思いますが、いくら新会社の発行している株式に譲渡制限を付けたとしても、そこでコントロールできるには、あくまでも一時的な譲渡制限でしかないのです。新会社の株主であるJ社の発行している株式の譲渡に関しましては、もちろん新会社はコントロールすることはできません。なので、今現在J社の株主がjさん一人だとしても、それが永遠にj様ひとりである可能性はないのです。

【H様】
おお。ようやく関川さんらしくなってきたね〜

【関川】
なので、そんなリスクをヘッジしたいのであれば、J社の株主構成が劇的に変化した際に、会社がその株式を買い取ることができる規定を置いておく必要がありますね。その上で、たとえば (中略)ということなんですよ。

【H様】
ありがとう。こんな落とし穴があるなんて気付かなかったよ。

【関川】
このような事を踏まえた上で、会社の資本政策を固めていきましょう。

【H様】
そういえば、設立と同時に、ストックオプションって発行できるんだっけ?

【関川】
残念ながら、できないんですよ… 設立直後に発行することは可能です。

【H様】
了解。それに関しては、設立後にまた相談に乗ってもらえるか?

【関川】
どのような目的で発行するんですか?

【H様】
それは、今度までの秘密という事で…

【関川】
まだ、出資をしたい人がいらっしゃるんじゃないですか??

【H様】
だから、今度ね。

【関川】
それでは、次の事項に行きましょうか。次は、株主総会に関する事項ですね。一応、上場を前提にした文言で定款は作成しておきます。

(中略)

【H様】
よろしく。

【関川】
次は、役員ですね。役員候補者として、何人くらい集められそうですか?

【H様】
いくらでもいるよ。取締役で4名監査役で1名かな。

【関川】
そうですか。それでは、取締役会は置かない会社にしましょか。監査役も置きますよ。

【H様】
やっぱり、取締役会はおいた方がいいんじゃないか?

【関川】
そうですね。今は、実質上の株主は2名ですので、まだ取締役会を置く必要はないかと思いますよ。なぜかと申しますと、取締役会は3名以上の合議体ですよね。取締役会を置くことによって、取締役会を定期的に開く必要が出てきますし、いくら社長が大株主であったとしても、取締役会では1票しか議決権がないですからね。ここで、他の取締役たちは、株主みんなのために任務を遂行しますので、少数株主権を持っている株主たちの意見も考慮しなければ、後々痛い目を見るんですよ。そうすると、社長の思うようにいかなくなる可能性があると。その反面、取締役会を置かない会社におきましては、株主総会の権限が拡大されますので、その部分においては、社長が大株主として議決権を行使できるんです。議決権行使の際に、他の株主の利益などを考える必要はないですからね。たとえば、利益相反取引や競業取引の承認などが、その主たる例です。取締役会がない会社におきましては、利益相反取引等の承認は株主総会で行う反面、取締役会がある会社におきましては、その承認は取締役会において行うことになります。取締役会と違い、株主総会は委任状で議決権を行使することができますので、後々のコンプライアンスチェックで足元をすくわれる可能性も低いとも思っています。

【H様】
そうなんだ。了解。

【関川】
あと、取締役の員数は、できれば奇数にしたいですね。今現在の4めいという構想ですと、取締役の決議には3名の賛成が必要になるうえ、賛成2反対2で分かれたとき、会社の運営が一時中断する可能性がありますから。

【H様】
そうか。だけど、今考えている5名は、みんな役員にしたいんだよね…

【関川】
そういう場合には、監査役を2名にしてはいかがでしょうか。

【H様】
そうすると、監査役の決議で、さっきの問題が生じるんじゃないか?

【関川】
大丈夫です。監査役は、独任の機関ですので。

【H様】
そうなんだ。

【関川】
ちなみに、社外役員は置かれますか?

【H様】
おこうと思っているよ。いい人がいるんだけど…

【関川】
問題でもあるのですか?

【H様】
責任を負うのが怖いって言ってるんだよね。

【関川】
そうなんですか。それでは、社外役員の責任を軽減する契約を結ぶことができる規定をあらかじめ置きましょうか。会社設立後でも置くことはできますが、設立時においておけば、手数料を節約できますよ。

【H様】
そうなのか。幾らくらいなんだ?

【関川】
税金で3万円くらいです。

【H様】
まあ、そちらの方もよろしく頼むよ。

【関川】
かしこまりました。

(20分経過)

【H様】
おっとそろそろ時間だ…

【関川】
そうですね。それでは、今後のスケジュールの確認を…

(5分経過)

【関川】
それでは、週末までに、税理士の方とご相談ください。

【H様】
わかった。あとで、計画書も送っておくよ。読んでおいてくれ。

【関川】
了解いたしました。

【H様】
んじゃ。よろしく。

【関川】
どうもありがとうございました。

■今回の会社設立でかかった会社設立費用
※完全おまかせサービスを適用いたしました。 料金システムのご案内 > > >

【司法書士報酬の内訳】
■定款作成・・・12万円
■責任限定契約書(任用契約書)作成・・・5万円
■資本政策に関するコンサルティング・・・5万円
■種類株式に関する立案・・・5万円
■株主間契約書の作成・・・5万円
■その他書類作成・・・1万円
■相談料金(4時間)・・・4万5000円
■設立登記申請・・・1万円 ■公証役場認証・・・1万円
税金など ■税金など・・・20万円  合計・・・・・59万5000円

 

お問合せ

Copyright © 2007-2008 司法書士・行政書士関川嘉一事務所 All rights reserved. このホームページのすべての文書の著作権は司法書士・行政書士関川嘉一事務所に帰属します